新時代の音楽家〜日本アーティスト協会と包括的エージェント契約を結ぶ、21 歳の若手音楽プロデューサーの仕事とは?

新進気鋭の21歳音楽プロデューサー・羽柴秀吉氏。社会人一年目をフリーランスのプロデューサーとして出発をした彼の仕事内容をインタビューしました。新時代のその働き方とは・・・?

Nami
2024-09-2710min read

現代では SNS や多様なツールの発展により、「個」として働くことが以前よりも身近になり、音楽業界も例外ではありません。

フリーランスとして活動していく場合、音楽のスキルと同時に、一事業主としてビジネススキルや自分を効果的にアピールする方法も知っておくことも大切です。

羽柴秀吉さんは、2024 年3月に日本工学院を卒業後、日本アーティスト協会と包括的なエージェント契約を締結。

フリーランスとして社会人の第一歩を踏み出した羽柴さんは、音楽スキルを磨きつつ、日本アーティスト協会から仕事のサポートを受けながら、ビジネススキルも磨いています。

今回は、21 歳のフリーランス音楽プロデューサーとして新しい働き方を体現している羽柴秀吉さんにお話を伺います!


21 歳フリーランス、現在の仕事「とにかく、色々なことに取り組んでいます」

-羽柴さんが契約している、日本アーティスト協会とはどのような組織でしょうか?

音楽家が長く音楽活動を続けるためのサポートをしている、特定非営利活動法人です。

具体的には音楽の仕事を紹介してくれたり、音楽家が生活を安定させながら活動を続けるために、ビジネススキルも教えてくれたり。

そうすることによって音楽家が音楽活動に専念しながらも、しっかりとした生活基盤を築けるように支援してくれる、そんな団体です。

-包括的エージェント契約とは、どのような契約ですか?

最初にこの契約を聞いたときは、正直よく分からなかったです(笑)。

この契約では、日本アーティスト協会から業務委託としてお仕事の依頼を受けられる一方で、自分自身の活動には制限がありません。

なので、この契約のおかげで協会からのサポートを受けつつ、自分の活動も続けられる、そいういった契約ですね。

-羽柴さんの現在のお仕事内容を教えてください。

僕は音楽プロデューサーとしてもっと活躍していきたいという夢があり、個人の活動だと今はアレンジの受注が多いです。

日本アーティスト協会との仕事は色々あるんですが、まずは日本アーティスト協会の事業開発部が運営する日本アーティスト学院という学校の設立に携わったことと、そこでの講師業です。

その他には日本アーティスト協会の SNS を運営したり、今月からは日本アーティスト協会の取引先企業様から Google リスティング広告のお仕事も頂いていて、資格の勉強もしていて。

他にもチラシのデザインも作ったりとか...。営業にもよく行きますね。こないだはクリエイターエキスポと教育系のエキスポにも行きました。

とにかく、色々な仕事に取り組んでいます(笑)。

-マーケティング、広報、営業、デザインまで...一事業主として必要なスキルに幅広く取り組んでいらっしゃるんですね。

そうですね。
結構忙しくて大変ですけど、楽しいです。面白い生活しているなっていうか(笑)。

仕事も増えてきて、最近はやっとフリーランスらしくなってきたなと感じます。

-楽曲依頼のお仕事はどのような獲得経路が多いですか?

大きく分けて、日本アーティスト協会の繋がりと、自分の知り合いからの2つの軸があります。

日本アーティスト協会のキャリア支援事業部の紹介では、有名アーティストや舞台音楽の楽曲制作を手がける作家事務所と、念願の作家契約も結ぶことができました。他にも協会のツイートを見て依頼をいただくこともありますし、最近では学院の生徒の保護者の方から依頼を受けることもありましたね。

協会経由以外の場合は、専門学校時代の知り合いや、その繋がりから派生して紹介いただくことが多いです。

協会に所属して感じること「周りの子たちを支えてあげたいって想いがちゃんとある」

-フリーランスとして活動している一方で、日本アーティスト協会のメンバーとしても働いている印象ですが、事務所所属との違いはどこが一番大きいと感じますか?

僕の周りの知り合いも芸能事務所への所属が決まり出してる子が結構いて。

話を聞いていると、自分が音楽的な部分でやりたいことと、やるべきことが結構ずれてきたりするんじゃないかなって感じています。僕は所属をしていた経験がないので、憶測にはなってしまうんですけどね。

その相違も音楽でお金を稼ぐために必要な部分ではあると思うんですけど、そこと全く別軸で自分の活動もちゃんとできるっていうのは大きな違いだと思います。

うちの理事長は僕に音楽の面に関しては口を出さないってよく言ってくれていて。
その子自身のその個性を生かした上で、それ以外の部分をサポートするよっていうスタンスなので、個人の活動は本当に自由にやっていますね。

-日本アーティスト協会との出会いは?

日本工学院で、日本アーティスト協会の理事長であるガリバー宇田川さんの授業が1年生の時からありまして。

動画授業で営業や SNS の運用の仕方など、アーティストが音楽以外の部分でちゃんとお金を稼いでいくという、今につながる内容を教えていただいていました。

2年生になったタイミングで、週に1回だけ日本工学院に進路サポート担当として来てくださる日があって、それで初めて直接お会いして色々お話をさせていただきました。そこで何か感じて下さったみたいで、一緒にやるかと誘ってくださいました。

-日本アーティスト協会が、アーティストを支えるための契約を作ったのはなぜですか?

この契約を作ったのは理事長なんですよ。
理事長は過去にメジャーデビューもしているんですが、若い頃アーティストとして生きていくためにかなり苦労したみたいで。
そういった経験が原動力となっているのかなと思ったりします。

理事長が僕や学院の生徒をはじめとして、周りの子たちを支えてあげたいって想ってくれていて、自分や事務所の利益よりも優先してそこに注力してくれているのが伝わってくるんです。本当にありがたいと感じています。

-羽柴さんが事業開発をご担当されている日本アーティスト学院も、まさに日本アーティスト協会の理念に基づいた学院だと感じました。学院について、少しお伺いできますか?

日本アーティスト学院は、日本アーティスト協会が運営している、高卒資格が取れる通信制のサポート校です。

僕が協会からサポートを受けてるみたいに、生徒自身に対しても音楽的なレッスンと同時にビジネススキルを教えているのがこの学院の特徴です。

音楽的な面では月に2回 DTM レッスンがあって、僕はそこの講師もやっています。

学院は今年から始まったんですけど、色々変わった授業やイベントを企画しているんですよ。

-どんな内容ですか?

音楽の授業だと、その子が作ってきたオリジナルを見たり、音楽のハウツー動画を作ったり、夏休みには一日作詞作曲から完パケをするっていう合宿を企画しました。

ビジネススキルの授業もなかなか面白いんですよ。

生徒が T シャツのデザインをするっていう授業があったんですけど、そのデザインしたTシャツを実際に販売して、購入されたらその子にも利益が回るみたいな仕組みを理事長が作って。

他にも、5月ぐらいから日本アーティスト協会の TikTok を僕が運営していましたが、その動画編集も今月からその子に引き継いでいます。これも編集したら報酬も発生する業務委託という形でやっていたり、とにかく実践を沢山積んでいます。

学生のうちから業務委託を実際に受けて、収入を得る経験をして少しずつ稼ぎ方を学ぶことができるといいますか。

単純にスキルを教えて終わりじゃないところがうちの学院の大きなポイントかなと思います。

-音楽スキルだけでなく、ビジネススキルも磨く大切さはどんなところだと思いますか?

音楽専門学校は音楽的な内容の授業に加えて、先生たちがたくさん仕事を取ってきてくださったりするので、2年間かけて音楽に関する部分を濃く学べると思うんですよ。

でも、自分の売り出し方とかビジネススキルはあまり習わないので、 自分の周りも含めて卒業後に結構苦戦してる子たちが多くて。

そこは日本アーティスト協会が力になれる部分かなとは思いますし、アーティストが今後生き抜くためのスキルやデュアルキャリアの授業っていうのは結構新しくてこれからの時代にとても役立つと思います。

それに時代的にも昔と比べて音楽事務所への所属が少なくなってきてると思うんですよ。

もちろん、所属することのメリットはあるんですけど、自分でできる上で所属するのと、できないで入るのだと、全然違うと思っていて。

知らないと、報酬条件とか契約とかの話がやっぱり分からなくなってくる。
なので、個人で生き抜く力という面でも、知識としてそういう部分を知っておくのはすごく大事だと思いますね。

羽柴さんの今後の目標「J-POP 天下統一」

-羽柴さんの今後の目標はありますか?

一番目標としているのは、テレビとかで作詞、作曲、編曲のクレジットで「羽柴」っていう名前がたくさん出てきて、視聴者が「あれ、この名前よく見るな」と思ってもらえる状態ですね。

自分が表に出るというよりは、実は裏方として色々仕切っていて、J-POP 界を席巻しているような...。こういった意味とアーティスト名をかけて「J-POP 天下統一」とつけています。

-学生の方に対するアドバイスをお願いします。

時間がたくさんある学生のうちに、色んなことにチャレンジしておくと良いと思います。

僕自身は学生時代色々悩んで正解を探そうとしたこともありましたけど、あまり考えすぎずに、誘われたものはとりあえずなんでもやってみるのがおすすめです。

-実際に学生時代にチャレンジしたエピソードはありますか?

僕は平成時代の音楽の雰囲気が好きで、学生時代は当時の森山直太郎や福山雅治のような曲を作っていたんですよ。そうしたら先生から「仕事をしていく上では現代の曲もつくれるようにしなきゃ」と指摘されて。

今まで全く聞いたことのないジャンルだった、ダンスミュージック系の曲を先生からリファレンス曲としてもらって、制作にチャレンジしてみたんです。

そしたらちょうどそのタイミングで、うちの学校のダンス科と山梨県のコラボ PR 動画の曲オーディションが開催されて。

チャレンジしていた曲はまだ完成してなかったんではじめは応募するのを諦めていたんですが、先生からの後押しがあって、急いで曲を仕上げて応募しました。そしたら、まさかの僕の曲が採用されて。

「空き缶と花束」という曲で、YouTube にも載っているのでよかったら聴いてみてください。

【山梨県笛吹市×日本工学院】羽柴 秀吉 feat. k1ky0「空き缶と花束」Music Video/山梨県笛吹市PR動画|日本工学院ミュージックカレッジ

自分は J-POP しか作れないと思っていたんですが、ちゃんと分析してやれば他のジャンルもできるんだって、この経験で自信がつきました。

今は他のジャンルの依頼が来ても「やりましょう」と言えるようになりましたね。


まとめ

音楽家の働き方は非常に多様です。

事務所やスタジオに所属する方、会社員の傍らで副業として活動をしている方、また個人事業主として生計を立てる方など、それぞれに異なるスタイルがあります。

そんな中でも、経験の浅い若手の中には、時間を切り売りするアルバイトをしながら音楽活動を続けている人も多く、音楽以外での苦労も少なくありません。

日本アーティスト協会による新しい切り口のサポートは、現代の多様化する働き方の中で、若手の音楽家にとって新しい可能性を開くものとなるのではないでしょうか。

個人が活躍できるプラットフォームが増え才能あるアーティストたちが音楽業界にひしめく「群雄割拠」の現代。羽柴さんはそこに身を置き、その新しい働き方を体現しています。

J-POP の天下統一を掲げた羽柴秀吉さんの挑戦がどのように進化していくのか、今後も目が離せません。

羽柴さんへのご依頼はこちらからどうぞ

羽柴秀吉 | ONLIVE Studio
【経歴】2022年に音楽の専門学校に入学し、シンガーソングライターとして自身で3枚のアルバムをリリース。翌年2023年に山梨県笛吹市に楽曲「空き缶と花束」を提供。現在は日本アーティスト協会と包括的エージェント契約を結び、フリーランスとして活動中。【特徴】アーティストの人柄や嗜好を活かし、リスナーに魅力が伝わる制作を心がけています。元々PopsやRockを得意としていましたが、作品提供経験を経て、現在は様々なジャンルの楽曲を制作しております。【目標】音楽プロデューサーとして、さまざまなアーティストの楽曲制作やサポートを行っていきたいと考えています。

羽柴秀吉氏プロフィール

2003 年、神奈川県川崎市生まれ。小学5年生の時に独学でギターを弾き始め、高校1年生で初めてバンド編成のオリジナル曲を制作。その後、音楽の専門学校に進学し、シンガーソングライターとして3枚のアルバムを自身でリリース。PopsとRockを軸に、ダンスミュージックやエレクトロなど幅広いジャンルの楽曲制作を行っている。現在はフリーランスとして日本アーティスト協会と包括的エージェント契約を結び、アーティストへの楽曲提供やプロデュース、地域 PR 楽曲の提供などを行う。

名前:羽柴秀吉
所属:無所属(契約先:特定非営利活動法人日本アーティスト協会、株式会社Soymilk)
生年月日:2003年06月03日出身:神奈川県川崎市
出身校:日本工学院専門学校芸術専門課程ミュージックアーティスト科
趣味:ギターを弾く事、バレー鑑賞

Nami
Written by
Nami

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。

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