コード進行基礎〜組み立て方を理解しよう!

コード進行は、作曲において重要な要素です。しかし、その仕組みは少し複雑。理解をすることにつまずいている方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、コード進行を基礎から解説致します。仕組みを知ることで、コード進行の組み立て方への理解の手助けとなり、コードアレンジなどへの第一歩にもなります。 ぜひご参考にしてください!

Nami
2024-05-315min read

コード進行とは?

前提知識として、まずはコードについてお話をします。
そもそも「コード(和音)」とは、2つ以上の音の重なりのことで、明るい響きを持つメジャーコードや、暗い響きを持つマイナーコードなど、様々な種類があります。

そして、コードを並べたものがコード進行です。
どのようなコードを使用し、どのような並びにするかによって曲の雰囲気が異なるため、様々なコード進行が存在します。

以下は代表的なコード進行の例です。響きの違いを確認してみてください。

知っておきたい前提:キー(調)について

コード進行を理解するためには、まずキー(調)について知っておくことが重要です。

楽曲で使用されるコードやメロディーの音は、ある一定の規則性に基づいて構成されています。この、規則性に基づいて構成された音のまとまりをキーといいます。

キーにおける規則性とは、中心となる音を「主音(トニック)」とし、その音を基準にして音階(※2)をつけたものです。

例えば、Cメジャーキーの場合は C を主音として、そこからメジャースケール(全全半全全全半)(※1)という音階を作ります。そうすると「CDEFGAB」という音の並びになり、これらが C メジャーキーで使用される音となります。

別のキーで考える場合は、主音を別の音にしても、同じ規則性で並び替えれば良いのです。例えば、G から始めた場合には、「GABCDEF#」となります。

また、キーにはメジャーキーとマイナーキーがありますが、この記事ではメジャーキーを前提に話を進めていきます。

このキーが分かることで、その曲で使用できる音を割り出すことが出来ます。

(※1)「全」は全音、「半」は半音を意味します。メジャーキーの場合は、メジャースケールに基づいて考えられます。

(※2)音をある規則に基づいて並べたもの。

ダイアトニックコードを知ろう!

楽曲で使用されるコードは、主に「ダイアトニックコード」から構成されています。
ダイアトニックコードは、そのキーを構成するそれぞれの音を基準に、3度(※3)ずつ音を重ねて作られたものです。

例えば、Cメジャーキーを構成する音は、「CDEFGAB」です。

それぞれを基準にして音を重ねると、7つコードができ、以下のようになります。

この時、コードの基準となる音をルート(根音)と呼びます。
例えば、C の場合は、ルートが C です。

(※3)度数とは、音と音の幅、つまり音程を表す時に使う単位です。ドからミの場合は、ドを基準の1度と数え、ミは3度となります。

ディグリーネーム

キーが変わっても、ダイアトニックコードは同じ規則性に基づいて作られるため、実音は変わっても、各音の相対値は変わりません。

そのため、キーにおける主音の音を基準に作られたコードは必ずメジャーコードになり、主音から2番目に作られたコードは必ずマイナーコードに....(※4)という風にそれぞれコードの型と機能(次章でご紹介)は共通することになります。

こうすれば 12 キーのダイアトニックコードを覚えずとも、型に当てはめて考えることで、簡単に別のキーに変換することが可能です。

そこで役立つ考え方は、ディグリーネームです。

ディグリーネームは、主音から何番目のコードを基準に出来たコードかをローマ数字で表しており、さらにローマ数字の横に付く「m」や「7」はコードの型を表しています。

ディグリーネームを使用すると、キーが変わっても基準となる音が変わるだけで、この型に当てはめていけばダイアトニックコードを導き出せるため、転調が簡単になり、作曲や演奏の際に役立ちます。

(※4)メジャーキーの場合。

ダイアトニックコード・各コードの役割

「ダイアトニックコードはわかったけど、どうやって並べれば良いの?」と疑問が浮かんだ方へ。

ダイアトニックコードにはそれぞれ機能があります。機能は大きく分けて「トニック」「サブドミナント」「ドミナント」の3つ。

この役割を覚えると、コード進行の並びも理解がしやすくなりますよ!

トニック(I)

トニック(主和音)とは、キーの主音を基準に構成されたコードです。
Cメジャーキーの場合、Cコードがトニックに当たります。

トニックの特徴としては、その曲の主音をルート(根音)に持つため、安定感があります。

最終的にはトニックに帰ってきたがる性質があり、トニックで終止感を演出することが可能です。そのため、曲の最後のコードはトニックで終わっていることが多いです。

また、トニックはドミナントにもサブドミナントへもスムーズに進行することが出来ます。

ドミナント(V)

ドミナントとは、キーの5番目の音を基準に構成されたコードのことです。
Cメジャーキーの場合、Gコードがドミナントにあたります。

ドミナントの特徴としては、不安定な響きです。そのため、安定を求めてトニックに進みたがる性質があります。

このドミナントからトニックに進むことを、強進行と言います。さらに、ドミナントセブンスはより不安定な「トライトーン」という響きを持つため、トニックへの進行感がより強いです。これを、ドミナントモーションと言います。

サブドミナント(IV)

サブドミナントとは、キーの4番目の音を基準に構成されたコードのことです。
Cメジャーキーの場合、Fコードがサブドミナントにあたります。

サブドミナントの特徴としては、トニックにもドミナントにも自然に進行でき、響きも曖昧なことから、コード同士を繋いだり、雰囲気を与えてくれます。

代理コード

ここまでご紹介したトニック、ドミナント、サブドミナントは主要三和音と呼ばれます。しかし、ダイアトニックコードは全部で7つあります。

残りの IIm、IIIm、VIm、4つはどのような役割を担うのでしょうか?

これらは、構成音が似ているものを主要三和音の代理として振り分けることが可能です。

以下は、それぞれの代理コードです。

〜コード進行例〜

ここまでで、コード進行の考え方をご紹介してきました。
それでは実際に上記の考え方を使って、コード進行を考えてみましょう。

I → IV → V

トニック→サブドミナント→ドミナントは、最も基礎的なコード進行パターンです。

I → IIm7 → V7 → I

IIm7 は IV の代理コードとして、ドミナントに連結出来ます。さらに IIm7 → V7 は、ドミナントモーションになっており、よりスムーズに連結が可能です。

I → VIm → IIm → V7

トニックから始まり、代理コード VIm を挟みます。VI→II のルートの動きは、4度上の動きなので、ドミナントモーションです。

V7で終わるので、頭の I に移行しやすく、循環コードとして定番です。

VI → V → IIIm → VIm

サブドミナントから始まり、より不安定な V へ連結。トニックの代理である IIIm に落ち着きつつ、VIm に移動します。

IIIm→VIm は共にトニックの機能を持ちますが、ルートがドミナントモーションになっていることにより、より強い進行感を促しています。


まとめ

以上、コード進行の基礎を解説しました。
仕組みを理解することで、コード進行の並びを理解することができるでしょう

自分が好きだと感じるコード進行を分析してみることもおすすめです。
新たな発見に繋がるかもしれません。

また、今回ご紹介したダイアトニックコード以外にも、「ノンダイアトニックコード」という、そのキー以外のダイアトニックコードから借用してくるパターンもあります。

ノンダイアトニックコードを入れるとまた雰囲気が変わり、楽曲のアクセントともなります。

こちらは別記事で解説します。

ONLIVE Studio blog の別の記事では、コード進行について以下の記事でもご紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

王道のコード進行 Ⅳ-Ⅴ-Ⅲm-Ⅵm (4536)でヒット曲を生み出そう | ONLIVE Studio blog
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Nami
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Nami

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。

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