音楽プロデューサーになるには?

市場には様々な素晴らしい楽曲が流通しています。そんな音楽をアーティストと共に生み出しているのが音楽プロデューサーです。 今回は音楽プロデューサーを目指す方へ、音楽プロデューサーになるために必要なスキルやアクションをご紹介いたします。

Nami
2023-06-025min read

音楽プロデューサーとは

音楽プロデューサーは音楽制作においての最高責任者です。
世に音楽作品を送り出すため、作品の方針を立て、制作全体の指示、制作にかかる費用の出資などを行い、アーティストと協力して音楽作品を完成させます。
また、音楽プロデューサーはマネージャーや広告代理店といったビジネスパートナーと協力し、楽曲を売り出すための戦略立案なども音楽プロデューサーの仕事です。

音楽プロデューサーが実際の音楽制作にどのくらい携わるかは、プロデューサーによって異なります。アーティストと共にサウンドメイクも行う場合は、サウンドプロデューサーとも呼ばれます。
サウンドプロデューサーの場合は、クリエイター視点で作品の構築を行ったり、時にはエンジニアの目線でサウンドのイメージを設定することが必要です。

音楽プロデューサーに必要なスキルと知識

音楽プロデューサーになるためには、具体的にどんなスキルが求められるのでしょうか。
この章では、音楽プロデューサーに必要なスキルと知識について解説します。

楽曲制作に関する知識や技術

サウンドメイクにも関わるサウンドプロデューサーを目指す場合は、幅広い音楽制作に関する知識を身につけることが大切です。
アーティストと共に楽曲の方向性やアレンジの決定を行う際には音楽理論や楽器演奏に関する知識があるほど良いでしょう。また、このような知識があることでアーティストや作家、アレンジャー、ミュージシャンとの意思疎通もスムーズになります。
正確なコミュニケーションがとれることで、プロジェクトの全員が求めるイメージに近い楽曲を制作することができます。

また、音楽プロデューサーはレコーディング、ミックス、マスタリングといった音楽制作の各工程にも知見が必要です。
これにより、エンジニアとのコミュニケーションもスムーズに行うことができ、アーティストが望むサウンドに仕上がる可能性が高くなります。

プロジェクトマネジメントスキル

音楽プロデューサーは複数のプロジェクトを同時に進めることもあるため、スケジュールや予算の把握をすることも必要です。
決められた納期に合わせて進捗状況を確認したり予算管理を行うため、制作プロジェクトのマネジメント能力も問われます。

コミュニケーションスキル

音楽プロデューサーはプロジェクトを進めていく中で、アーティストやエンジニア、ディレクターなどの制作メンバーや、広告代理店などのビジネスパートナーなど、様々な人と関わり合います。そのため、コミュニケーションスキルも非常に重要なスキルとなります。

アーティストにとってプロデューサーは、音楽の目指すべき方向性を共に理解しあい、自分をプロデュースしてくれる人です。
共に音楽を作り上げていく中で、コミュニケーションをとることは信頼関係を築いていく上で重要です。
また、制作過程でエンジニアに依頼する際にも、楽曲をどのような方向性で仕上げていきたいかを正確に伝えることで、制作を円滑に進めることができます。

このようなコミュニケーションスキルは、制作をスムーズに進行させ、プロジェクトを成功させるための鍵の一つとなります。

音楽ビジネスやマーケティングに関する知識

音楽プロデューサーはレコードメーカーなどから依頼を受けている、もしくはレコード会社や芸能プロダクションなどといった会社に所属している場合が多いです。そのため、ビジネス的な結果を求められることも多いです。

このような結果を実現するために、世界的な音楽のトレンドや制作した音楽を提供していく市場、ターゲットの潜在的なニーズを見極めて判断していく力も必要になります。

音楽プロデューサーになるためのアクション

Photo by Amin Asbaghipour / Unsplash

音楽プロデューサーになるための道のりとして、明確な道筋はありません。
必ずしもここに就職すれば音楽プロデューサーになれる、この資格を取ればなれるというものがないのも音楽プロデューサーの難しさです。
そのため、以下では音楽プロデューサーになるために役立つアクションをご紹介します。

スキルを磨く

音楽プロデューサーになるためには、前章でお伝えした音楽プロデューサーに必要なスキルを磨くことが必要です。
このようなスキルが足りないと、チャンスがきても案件を任せてもらえない可能性もあります。いつでも飛び込んできた案件に対応できるよう、日頃からこのようなスキルを蓄えておきましょう。

実務的な経験を積む

実務的な経験を積むことは、非常に有効なアクションです。
自己プロデュースや、知り合いのアーティストをプロデュースしてみると良いでしょう。そのような経験は、現場で必要になるスキルを磨くことに繋がります。

また、音楽プロデューサーのみならず、作詞、作曲、アレンジ、ミックス、マスタリングなどの音楽制作の実務的な経験を経験してみることも良いです。
実際に、アーティストや作詞作曲家、またエンジニアからのステップアップとして音楽プロデューサーに転身、もしくは並行して行うこともよくあるケースです。
アーティスト活動で知名度を獲得している場合、自分がプロデュースするアーティストも注目されやすくなります。
また、自身の経験をコミュニケーションに活かすことで、より良い制作進行が可能となります。

経験豊富なプロデューサーから学ぶ

経験豊富なプロデューサーからアドバイスを受けたり師事してもらうことで、あなたの音楽プロデューサーとしてのキャリアの糸口が見つかる可能性があります。
自分が尊敬する音楽プロデューサーと出会うチャンスがあれば、積極的に声をかけてみましょう。

自分の作品をプロモーション

自分がプロデュースした作品が世の中に評価されるほど、あなたの評価も高まります。そのため、自分が担当した作品をプロモーションし、知名度をあげていくことも有効な手段の一つです。
自分が手がけた作品をより人々に知ってもらうために戦略を考えると良いでしょう。
現代では Youtube や Instagram 、TIkTok などの SNS を活用したアピールは拡散性があるため、認知してもらうのに非常に有効です。プロモーションに取り入れて活用していきましょう。

有名な音楽プロデューサーの紹介

この章では、日本で有名なプロデューサーを一部ご紹介します。

蔦谷好位置

蔦谷好位置氏は、CANNABIS というバンドのキーボードとしてメジャーデビューを果たし、バンド解散後に音楽プロデューサーとしてのキャリアをスタートさせました。現在でも EOR などのバンドのキーボーディストとしても活動しています。蔦谷氏はゆず、米津玄師、back number、Official髭男dism などの人気アーティストを手がけており、その音楽プロデュースの手腕は高く評価されています。

前山田健一

別名「ヒャダイン」としても知られている音楽プロデューサー。
ももいろクローバー Z や、関ジャニ∞、私立恵比寿中学といった数々の人気アイドルグループへの楽曲提供から、ウマ娘などの人気アニメ、海月姫といった映画劇伴など幅広く活動しています。

また、前山田氏は「 musicるTV 」などの TV 番組で MC を務めるなど、タレントとしても活躍しています。自身がアーティストやタレントとして出演する際は「ヒャダイン」、裏方で制作をする際は「前山田健一」と名前を使い分けているとのことです。

Yaffle

Yaffle は TOKA という楽曲プロデュースを行う会社の設立メンバーである小島 裕規氏のソロプロジェクトです。小島氏はアーティストのプロデュースに加え、劇伴の制作も手がけています。

小島氏は学生時代に軽音楽部と吹奏楽部を兼部し、セクションリーダーを務めるなど音楽プロデューサーとしての才能を早くから発揮していたとのこと。
国立音楽大学に進学後、作曲家としてのキャリアをスタートさせ、現在では藤井風や Rihwa といったアーティストを世に送り出しています。


まとめ

音楽プロデューサーになるためには、音楽制作のスキルに加えて、市場を見極める力やコミュニケーションスキルも必要となります。
近年では様々な音楽業界でプロデューサーを果たした後、自身で起業をしたりフリーランスで活躍していくという選択肢もあります。

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Nami
Written by
Nami

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。

監修

Masato Tashiro

プロフェッショナルとして音楽業界に20年のキャリアを持ち、ライブハウスの店長経験を経て、 2004年にavexに転職。以降、マネージャーとして、アーティストに関わる様々なプロフェッショナルとの業務をこなし、 音楽/映像/ライブ/イベントなどの企画制作、マーケティング戦略など、 音楽業界における様々な制作プロセスに精通している。 現在はコンサルタントとして様々なプロジェクトのサポートを行っている。

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