先日、「音楽制作の聖地、音響ハウスの紹介〜現役エンジニアにインタビュー」というインタビュー記事を投稿しましたが、皆さんはご覧いただけたでしょうか?
インタビュー後に、高村さんのご厚意により音響ハウスの Studio No.6 の見学に加えて、急遽プチレコーディング体験をさせていただきました。
この貴重な体験を、皆さんと共有したいと思います。
音響ハウスは、日本の音楽シーンに多大なる貢献をしてきた音楽スタジオで、今もなお様々な素晴らしい作品がここで生み出されています。
スタジオにお邪魔させていただくのは、今回で3回目。
プロユースのスタジオで、ビンテージの貴重な機材が揃っていたり、一流のプロフェッショナルたちが働く現場です。そんな場所に快く招いてくださったことに有り難みを感じながら、見学をさせていただきました。
まずはスタジオを見学!
Studio No.6 は、レコーディングブースとコントールルームで構成されています。
スタジオ内は重厚感があり、とっても落ち着いた雰囲気。
歴史と気品が保たれていています。
こちらは、Studio No.6 のレコーディングブースです。
「改修工事の際に壁や天井の素材を減らして響きを調整したことにより、音がさらに良くなりました」と高村さん。
良さを失わず、常に進化し続けるところに音響ハウスの真髄を感じます。
Studio No.6 について▶︎https://www.onkio.co.jp/music/6st.html
レコーディングブースの壁。
石の部分の壁はあとから入れた訳ではなく、改修前からビルにあった部分だと教えて下さいました。ここが良い反射を生んでいる一つの要素のようです。見た目もおしゃれですね。
スタジオにあるプロユースの機材たち
こちらはブース内にあったキューボックス。使い方をレクチャーして頂きました。
キューボックスはボーカルや楽器のレコーディングの際に、演奏者が自分で好きなバランスでモニターを調整できる機材です。
人によって好みの設定が違っておもしろいのだとか。
様々な著名なアーティストがボーカルレコーディングで操作してきたキューボックスということで、オーラすら感じました....。
ブースに置いてあるピアノは、使い込まれた椅子の渋さが歴史を物語っています。
このアップライトピアノの利用は多くないですが、「ホンキートンクピアノとして使用する方がいたり、アップライトピアノを常設していないスタジオもあるので時々利用の相談があようです。
ラグタイムとか弾けたらかっこいいんだろうなぁと眺めていました。
突如レコーディングをすることに!
雑談をしていると、高村さんから「録音してみますか?」と、お声かけをいただきました。
スタジオの見学も本来取材の予定になかった特別なことでしたが、レコーディングもさせていただけるなんて...。
と思いつつも「いいんですか!?」(ノリノリ)とすぐにお答えして、急遽プチレコーディング体験をさせていただくことになりました。
レコーディングはその場でのご提案でしたが、プロフェッショナルな手際でレコーディング準備を行う高村さんに、状況をすぐさま把握し動くアシスタントの方。あっという間にレコーディングの準備が整う一連の流れには、本当にリスペクトしかありません..。
写真で見切れていますが、このマイクスタンドはかなり重く、見た目も相まって、まるで鉄アレイでした。安定感がすごかったです。
マイクは、NEUMANN ( ノイマン ) のU87i 。
準備が進むにつれ、ワクワクが緊張へと変わり始めます。
私は今回のインタビューに際し、音響ハウスについて色々調べていて、音響ハウスの映画では様々な著名なアーティストが音響ハウスでの思い出やスタジオの良さについて語っていらっしゃいました。
少しとはいえ、その音響ハウスでのレコーディングを経験できるとは....
あっという間に準備が終わり、「では録ってみましょうか」と高村さん。
アカペラでのボーカル録音が開始です。
ボーカルの返しには、適度なリバーブをつけてくださいました。
マイクも何もかも、自宅の宅録環境とは違うので当たり前ですが、声がスコーンと突き抜けて伸びやかな印象です。
仕上がった音源を聞かせていただいて、頭の中で作ったトラックに音源を差し込みます。これだけで楽曲のクオリティが上がりました...。
まとめ
宅録にも、もちろん良い面がたくさんあります。音を良くするためにはどうしたら良いかを考えるきっかけになるので勉強になったり、気が済むまで録音できたり。ただその分、歌唱や演奏ではない部分に労力を使うことは確かです。
スタジオの場合は、機材や録音をエンジニアに託すことができます。音を良くするために自分がやるべきことは、全力でパフォーマンスをすることのみです。
このように、パフォーマンスに集中できることは、やはりスタジオの良いところだなと感じました。
そして圧倒的な録り音のクオリティ、技術はもちろんのことパフォーマンスをしやすい環境を整えてくれるエンジニアの方達、また音響ハウスで録っているんだという特別な高揚感が、何か普段と違うものを生み出すことは間違いないでしょう。
親切にスタジオの案内とレコーディングをしてくださった高村さん。ありがとうございました。
プロフィールご紹介
東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。