ミックスの必要性とは?
“そもそもミックスって必要なの?”と感じている方もいるのではないでしょうか。ミックスは作曲のように“0から1を生み出す”工程ではないため、楽曲制作を始めたばかりの方にとっては、その効果や必要性がイメージしづらいかもしれません。
ミックスの役割は、各パートの音量バランスや音色を整え、楽曲全体の魅力を最大限に引き出すことです。この工程を行うことで、一つ一つの音がより活き、楽曲は聴きやすく、ひとつの作品としてまとまりのある仕上がりになります。
ミックスについてより詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
ミックスの依頼先探し方3選
この章では、ミックスの依頼先を探す方法を紹介します。
1.スキルシェア・サービス
スキルシェア・サービスとは、個人のスキルを売り買いできるプラットフォームのことを言います。大手ではココナラ、クラウドワークスなどのサービスが挙げられます。
当サービスである ONLIVE Studio は、音楽制作に特化したスキルシェア・サービスです。
ONLIVE Studio には作曲家やミュージシャン、ミックス・エンジニアなど、様々なスキルを持った音楽家が登録されており、ユーザーは自分に合った条件の音楽プロフェッショナルを探すことができます。トラブル時にはサポートもあるため、初めて依頼をする方におすすめです。
また、“依頼するのは初めてでよく分からないから、まずは相談したい”方は、無料相談も行っていますので、是非ご活用ください。
https://onlivestudio.zendesk.com/hc/ja/requests/new?ticket_form_id=50975627493785
2.レコーディング・スタジオ
レコーディング・スタジオとは、レコーディングに適した設備・機材が揃った専門施設です。スタジオ専属のエンジニアがいるため、レコーディング部屋を借りるだけでなく、エンジニアにレコーディングやミックスを依頼することができます。ミックスだけの依頼も受け付けているスタジオもありますが、レコーディングからミックスまで、まるっと依頼したい!という方におすすめです。
ONLIVE Studio にはレコーディング・スタジオの登録もあるため、ここから依頼も可能です。
また、気になるスタジオの HP にミックス依頼を受け付けているか記載されていない場合は、コンタクト・フォームから直接問い合わせてみると良いでしょう。
3.エンジニアに直接依頼する
自分が ”好きだ” と感じるサウンドがあれば、そのサウンドを手がけているエンジニアに直接依頼するのも一つの方法です。楽曲のクレジットを確認することで、ミックスを担当したエンジニアの名前を知ることができます。
もちろん、サウンドの印象を決めている要素はミックスだけではありませんが、一つの判断材料となります。
エンジニアの名前が分かったら、公式サイトやSNS、所属事務所などを探し、お問い合わせフォームやダイレクト・メッセージからコンタクトを取ってみるのがおすすめです。
なお、この方法を取る際の注意点として、すべてのエンジニアが個人からの依頼を受け付けているとは限りません。そのような場合でも、礼儀を大切にし、まずは相談という形で丁寧に連絡してみると良いでしょう。
依頼前に知っておきたいこと
よく使用される用語(パラデータ、ステムデータ、2MIX、リファレンス曲)
依頼時によく使われる用語をご紹介します。また、以降の章ではこれらの用語を使用していますので、ぜひ予めご確認ください。
- パラ・データ
全トラックをオーディオ・ファイル化したもの(例:ハイハット、スネア、キック、...)
- ステム・データ
ある程度パートごとに分けてオーディオ化したもの(例:ドラム、ギター、ベース...)
- 2MIX
楽曲全体をステレオのオーディオ・ファイルにしたもの
- リファレンス曲
仕上げたいイメージの参考となる既存曲
- 仮ミックス
”こんな感じに仕上げて欲しい”というイメージを共有するために、自身である程度ミックスをしたもの
以下の記事では、ここでご紹介したものも含めて、音楽制作の依頼時によく使用する用語をまとめています。合わせて参考にしてください。
ミックス・エンジニアとMIX師の違い
依頼先を探す上で知っておきたい知識として、ミックス・エンジニアと MIX師の違いがあります。
MIX師とは、主にボカロ曲における“歌ってみた” の楽曲を専門にミックスする人のことを言います。ここでいう “歌ってみた” とは、既存の楽曲を歌でカバーし、動画コンテンツとして公開する文化のことです(※)。
一般的なミックスの場合、打ち込んだ / レコーディングした素材のパラ・データをエンジニアに共有し、各トラックの音量バランスや音質、空間処理などを総合的に調整してもらいます。
一方で、ボカロ曲においての ”歌ってみた” 楽曲の場合は、カラオケ音源の2MIX とボーカル・トラックのみでミックスを行う ケースが多いです。なぜなら、ボカロ曲の場合は作曲者となるボカロP がオフ・ボーカルの音源を無料で配布する文化が根付いており、その音源を利用するのが一般的だからです。そのため、ミックス作業ではカラオケ音源の2MIX とボーカル・トラックを中心にミックスを行います。
歌ってみたのミックスを受け付けているミックス・エンジニアもいれば、通常の楽曲ミックスに対応するMIX師も存在します。ですが、自分が依頼したい内容や制作の目的に合わせて考えた方が、自分に的している依頼先を見つけやすいでしょう。
(※)J-POP など、ボカロ曲以外の楽曲をカバーする “歌ってみた” の場合、カラオケ音源を自作する人もいれば、制作をプロに依頼する人もおり、制作方法は人によってさまざまです。
依頼する前の注意点
依頼をする前に、自分の楽曲をどのような雰囲気に仕上げたいのかをイメージしておくことが大切です。あらかじめ方向性が決まっていれば、相手も完成形をイメージしやすく、スムーズに作業を進めることができます。
もし具体的な言葉で表現するのが難しい場合は、イメージに近い楽曲(リファレンス曲)を共有することをおすすめします。そうした情報があることで、エンジニア側も意図を汲み取りやすくなります。
また、初めての依頼で、サウンドの方向性などがよく分からないという方は、素直にそれを伝えても良いと思います。
以下は、ONLIVE Studio で実際に合ったミックス依頼の事例です。依頼者がエンジニアにどのようにイメージを伝えていたかの参考になると思います。合わせて参考にしてください。
依頼のやり方
この章では、実際に依頼する際のやり方を、”依頼時に共有するもの” “共有データの作成方法” “データ共有方法”に分けて紹介します。
依頼時に共有するもの
- パラ・データ (もしくは ステム・データ)
パラ・データで共有しておいた方が、より細かい調整が可能となります。そのため、基本的にはパラ・データを共有します。
データの作成時にいくつか注意点があるので、後述の”共有データの作成方法” も合わせてご覧ください。
作曲家、もしくは編曲家に依頼をして編曲をしてもらっている方は、納品されたパラ・データを共有すれば大丈夫です。
- 仮ミックス
必ず必要なものではありませんが、あるとよりイメージを伝えやすくなります。
- リファレンス曲
こちらも必ず必要なものではありませんが、あるとイメージを共有しやすく、より良いです。
- その他
その他、エンジニアによっては歌詞カードや、譜面(コード譜)をくださいという方もいます。また、マーカーMIDI を提供するとより親切です。
共有データの作成方法
- 基本的には全トラックドライ(エフェクト無し)で書き出す
ボーカルや各楽器の、エフェクトはかけずに共有すると良いです。そうすることで、エンジニアがより適切な処理を施しやすくなります。ただ、自分がエフェクトをかけた音で進めたい場合は、その音で書き出して OK です。
エフェクト処理をエンジニアに委ねたいけど、音のイメージが明確にある場合は、自分でエフェクト処理したファイルと、エフェクト無しのファイルの両方を渡して、イメージの音に近づけてもらう依頼をすると良いでしょう。
- 出だしを揃えたら、適切に再生されるように書き出す
エンジニアが DAW にデータを取り込んだ時に、楽曲を適切に再生できるようにしましょう。そのためには、楽曲の頭から始まるトラックも、そうでないトラックも、オーディオ・ファイルは全てきまった小節から書き出します。多くの場合は、大体2小節ブランクを入れると良いです。そうすることで、出だしを揃えたら、適切に再生されるようになります。
- ファイル名を整える
各ファイルが何のデータなのか、相手に分かるように名前をつけておきましょう。その際、文字化け防止のために半角英数字(1バイト)で記載した方がベターです。
- ファイルの形式は WAVファイル が基本
データの書き出しは、 WAVファイルや AIFFファイルなどの ”非圧縮形式” で書き出しましょう。MP3 や AAC などは、非可逆圧縮形式で書き出すと音質が劣化してしまいます。
また、録音された音声がモノラルならモノラル、ステレオならステレオファイルで書き出すと親切でしょう。
データ共有方法
データ共有には、さまざまな方法があります。直接エンジニアに会う機会があれば、SSD や USBメモリーなどにデータを入れて持参することも可能ですが、昨今ではオンラインでデータを受け渡すケースも増えています。
オンラインでのデータ共有には、ファイル転送サービスやクラウドストレージサービスなどの選択肢があります。
たとえば、ギガファイル便などのファイル転送サービスでは、データをアップロードして発行されたURLを相手に送ることで、アカウント登録なしでも手軽にファイルを受け渡せます。急ぎでデータを送りたい場合などに便利です。
一方、Dropbox や Google Drive などのクラウドストレージサービスでは、パソコン内の専用フォルダとクラウド上のストレージを同期させることで、普段使っているフォルダと同じ感覚でデータを管理できます。ファイルをその都度アップロードする手間を抑えられるほか、共有フォルダを作成して、修正データなどを継続的にやり取りする場合にも便利です。
まとめ
以上、今回はミックスを依頼したい方に向けて、その手引きを紹介しました。
初めて依頼する場合は、分からないことも多く、尻込みしてしまうかもしれません。ですが、思い切って一歩踏み出して依頼してみることで、あなたの楽曲は、より一層その魅力を引き出してもらえるはずです。
依頼時には、“イメージと違った……”といった行き違いを防ぐためにも、今回紹介した注意点を確認しましょう。仕上がりのイメージを明確にし、依頼先へしっかり伝えることが大切です。そうすることで、より満足度の高いミックスにつながるでしょう。

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。








