作曲家
作曲家は依頼主が求める楽曲を制作するために、音楽への深い知識や様々なジャンルを理解している必要があります。また、自分のスキルを知ってもらうためにポートフォリオを作成したり、自分で作った曲をたくさんの人に聞いてもらっていることも重要です。
案件獲得の手段の一つとして、作家事務所に所属するという方法があります。
この場合、事務所から案件の紹介をしてもらえるので営業の手間が省けます。事務所は営業窓口の対価としてマネジメント手数料を差し引くので、手取りは低くなりますが、営業の手間が省けるため創作活動に専念できるといったメリットがあります。
また、最近では SNS の宣伝活動を通して自分の作品に興味をもった人から DM で案件受注を行っているケースもあります。
一度案件で知り合った人からコンペのお誘いや、別案件を紹介してもらえることもあるので人脈を大切にすることも重要です。
必要な準備
- 音楽理論の基礎知識
- デジタル音楽制作の知識やスキル
- ポートフォリオやデモ音源の作成
- ポートフォリオの作成
主な営業活動
- レコード会社や音楽出版社へのアプローチ
- 作家事務所に所属する
- SNSを活用した宣伝活動・受注案件
- コンペティションへの参加
- 知り合いからの紹介
ミュージシャン
ミュージシャンはライブやコンサートのサポート演奏のみならず、スタジオ録音など、さまざまな場面で活躍します。
仕事の依頼はツテや紹介も多いため、日頃から人脈を広げることも大切なアクションです。
また、プロの仕事を得る一番の近道とも言えるのが、音楽事務所に所属することです。
音楽事務所は、クライアントがミュージシャンに対して依頼する際の仲介業者として存在します。事務所のオーディションを受けオーディションに合格すると、事務所がクライアントに紹介するミュージシャンのカタログに名前が掲載されます。クライアントの目に留まりやすくなるため、プロの仕事を得る機会を増やすことができるでしょう。
必要な準備
- 演奏力や歌唱力の向上
- オリジナル曲の作成やアレンジレパートリーの充実
- 楽曲制作のための録音や編曲のスキルの習得
- ライブ経験
- ポートフォリオの作成
主な営業活動
- ライブハウス出演やイベント主催者へのアプローチ
- SNSを活用した宣伝活動・受注案件
- 音源の制作や配信、CDの販売など
- 音楽事務所への所属
エンジニア
エンジニアには、レコーディングエンジニア、ミキシングエンジニア、マスタリングエンジニアなど、音楽制作のプロセスにおいてそれぞれ専門分野があります。
まだ実績が無いうちは、自分の曲や、知り合いの曲をレコーディングやミキシング、マスタリングなどを行ってポートフォリオを作成してみると良いでしょう。
エンジニアは多くの場合、スタジオに所属し、そのスタジオ専属のエンジニアとしてアシスタント(またはアシスタントのさらにアシスタント)としてキャリアをスタートさせ、知識と経験を先輩エンジニアから学んでいきます。
フリーで活躍するエンジニアもいますが、その多くはスタジオで経験を積んだ人が独立しています。
必要な準備
- 録音やミキシング、マスタリングなどの基礎知識やスキルの習得
- 様々な楽器や音響機器の操作やメンテナンスの技術
- DAWやプラグインの使い方の習得
- ポートフォリオの作成
主な営業活動
- スタジオや音楽制作会社へのアプローチ
- 音源制作やミキシングなどの業務の実績を積むための活動
- ポートフォリオの作成
- SNSを活用した宣伝活動・受注案件
案件獲得において重要なこと
業界について知る
音楽の仕事を得るためには、業界についての知識が不可欠です。音楽業界には多様な仕事や職種が存在するため、その全体構造や仕組みを理解することが重要です。これにより、自分自身の立ち位置を把握することができます。
さらに、音楽業界の規模やトレンドを把握することで、自分の活動の方向性立てに役立ちます。音楽業界のトレンドは常に変化しているため、最新のトレンドを常にキャッチアップできるようアンテナを立てておきましょう。
また、音楽業界の著作権や契約関係の話はややこしく理解が難しいですが、報酬や法律にかかわることなので、この辺りをきちんと理解しておくことも大切です。
自分のことを知ってもらう
素晴らしい技術を持っていても、そのことを発信しなければ誰にも知られません。
そのためには、様々な方法を駆使して自分自身をアピールすることが必要です。例えば、自分の SNS アカウントを作成し、自分が制作した音楽や演奏技術が分かる動画をアップロードすることで、あなたの技術や魅力が多くの人々に伝わる可能性があります。
SNS では宣伝のみならず同業の人々と積極的に交流することで、音楽業界内の人脈を築くことができます。SNS がきっかけで音楽制作の依頼を受けることもあるため、SNS を有効活用することは、仕事を獲得するための有効な手段です。
また、自分のことを知ってもらうために、ポートフォリオを用意しておくことも重要です。ポートフォリオがあることで、依頼者はあなたの実績や得意なジャンルなどを確認できるため、自分のことに関心を持ってもらえる可能性が高まり、仕事の問い合わせに繋がりやすくなります。
SNS やポートフォリオで過去に手がけた楽曲を掲載する場合は、クライアントに楽曲を公開して良いかどうかを確認することが必要です。確認を怠ると、大きな問題になる可能性があります。また、リリース前の楽曲を公開することはやってはいけません。作家として自分が書いた曲や、エンジニアやミュージシャンとしてレコーディングに参加した作品であっても、原盤権者であるクライアトの許諾なしに公開すると、大きなトラブルになってしまいます。
人脈を広げる・大切にする
音楽の仕事では、紹介で仕事を獲得していくことも多くあります。
自分が普段から出入りするライブハウスや音楽スタジオ、音楽コミュニティなどがあれば、そこから仕事につながる可能性があります。また、音楽イベントへの参加など、業界人と出会える場に積極的に出向くことも新たなチャンスを生むかもしれません。人脈を広げることは、情報交換にも有効な手段であり、積極的に取り組むことが大切です。
さらに、一度案件で知り合った人から、コンペのお誘いや、別案件を紹介してもらえることもあります。しかし、そのためには、もう一度あなたと仕事をしたいと思ってもらう必要があります。そのためにも技術はもちろん、相手への気遣いや連絡の丁寧さも忘れないようにしましょう。
実績を積む
案件を依頼してもらう際には、実績があるかどうかは重要です。
このような実績を依頼者が確認することで、依頼者はあなたに依頼した時のイメージが湧きやすくなります。
例えば、ジャズに精通した演奏をしてくれるミュージシャンを探していた場合、あなたが過去にジャズバンドで演奏をしていた経歴があれば、依頼者はあなたに依頼しやすくなるでしょう。
このような実績を積むために、スキルシェアサービスを利用することも一つの手です。
スキルシェアサービスとは、自分のスキルを売り買いできるプラットフォームのことで、様々な音楽案件が存在します。
ONLIVE Studio は、音楽制作に特化したスキルシェアのプラットフォームです。
音楽の仕事をしたいと考えているプロフェッショナルと、プロフェッショナルに依頼をしたいと考えている依頼者をマッチングすることができます。ぜひご活用ください。︎
まとめ
今回は音楽の仕事を獲得する方法についてご紹介しました。
音楽業界で仕事をするためには、自分を売り込むことが重要です。フリーランスの場合、自身のプロフィールやスキルをアピールするために SNS を活用し、人脈を広げることが大切です。積極的に営業活動を行うことが、案件獲得につながります。
また、仕事を獲得するためには、常に自己研鑽を行い、最新の音楽トレンドや技術にも精通していることが望ましいです。
東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。
Masato Tashiro
プロフェッショナルとして音楽業界に20年のキャリアを持ち、ライブハウスの店長経験を経て、 2004年にavexに転職。以降、マネージャーとして、アーティストに関わる様々なプロフェッショナルとの業務をこなし、 音楽/映像/ライブ/イベントなどの企画制作、マーケティング戦略など、 音楽業界における様々な制作プロセスに精通している。 現在はコンサルタントとして様々なプロジェクトのサポートを行っている。