
そもそもストリングスとは?
ストリングス(Strings)とは、弦楽器の総称です。主にオーケストラで使われる弦楽器として、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの4つが挙げられます。
ストリングス = ヴァイオリン属?
弓で弦を擦って演奏する楽器を擦弦楽器(さつげんがっき)といい、大きく「ヴァイオリン属」と「ヴィオラ・ダ・ガンバ属」に分けられます。
今回ご紹介する楽器の中でコントラバスのみがヴィオラ・ダ・ガンバ属に分類されます。
しかし、一般的にはヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスをまとめてヴァイオリン属と扱われることも多い為、ストリングス=ヴァイオリン属と考えてよいでしょう。
パートは全部で5つ!楽器と各パートの役割
ストリングス・セクションは、ヴァイオリン(1st、2nd)、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの5つのパートで構成されており、それぞれが異なる役割を担っています。
ヴァイオリン(1st・2nd)
ヴァイオリンは、4つの弦楽器の中で最も小さく、高い音域を担当する楽器です。顎当てに顎をのせて演奏します。
演奏人数も最も多く、華やかで目立つサウンドが特徴です。
音域は G2〜E6と広く、曲の中心となることが多い楽器でもあります。
ヴァイオリンには1st と2nd があり、それぞれ異なる役割を持っています。
1st ヴァイオリン
1st ヴァイオリンは、ヴァイオリンの中でも特に高い音域を担当し、主旋律を演奏することが多いパートです。オーケストラやアンサンブルにおいて、楽曲のメロディをリードするため、花形ともいえる存在です。
2nd ヴァイオリン
2nd ヴァイオリンは、1st ヴァイオリンのオクターブ下で演奏したり、ハーモニーを支える内声を担当したりします。時には1st ヴァイオリンとともに力強く演奏し、楽曲を盛り上げる役割も担っています。
ヴィオラ
ヴィオラはヴァイオリンと同じように顎当てに顎をのせて演奏しますが、ヴァイオリンよりも一回り大きなサイズの楽器です。ヴァイオリンよりも落ち着いた音色で、ハーモニーを豊かにします。
中高音域を担当し、音域は C2〜C5となります。
ヴィオラは主に2nd ヴァイオリンとともに内声を演奏し、楽曲に厚みを持たせます。また、時に旋律を担うこともあり、オーケストレーションの中で独特の存在感を発揮します。
チェロ
チェロはヴィオラよりも低い中低音域を担当し、音域は C1〜G4となります。
豊かで温かみのある音色が特徴で、楽曲の土台を支えながら、時には旋律を奏でることもあります。
低音楽器でありながら、メロディアスなラインを演奏することも多く、特にゆったりとした楽曲では、その美しい響きが際立ちます。また、リズムやハーモニーの要として、オーケストラ全体の安定感を生み出します。
コントラバス
コントラバスは、ストリングス・セクションの中で最も低い音域を担当する楽器であり、音域は E0〜C3となります。
チェロと見た目が似ていますが、サイズが格段に大きく、形状もわずかに異なります。
この楽器は、ストリングス・ベースやウッドベース、ダブルベースなどさまざまな呼び名を持っていますが、すべて同じ楽器です。
最も低い音域を担当し、リズムとハーモニーの土台を築く役割を果たします。楽曲全体のグルーヴを支える重要な存在であり、ストリングス・セクションの基盤を作るパートです。
ストリングスの編成は?
弦楽四重奏が基礎になっている
ポップスにおいても、オーケストラのストリングスにおいても、弦楽四重奏が基礎になっていると言えるでしょう。
また、弦楽四重奏にはコントラバスは含まれませんが、ストリングスセクションにおいてのコントラバスの役割は、チェロとのユニゾンであったり、補佐的な役割が大きいです。
音域が高いパートほど人数が多い
ストリングスは、担当する音域が高いほど人数が多い編成となります。
人数が多い順から、1st ヴァイオリン>2st ヴァイオリン>ヴィオラ>チェロ>コントラバスといった具合です。
1st ヴァイオリンを基準とした型
ストリングスの編成には、編成によって様々な型があります。
基本的には型のはじめについている数字は1st ヴァイオリンの人数を表しています。
8型
- 1st ヴァイオリン-8人
- 2 nd ヴァイオリン-6人
- ヴィオラ-4人
- チェロ-4人
- コントラバス-2人
12型
- 1st ヴァイオリン-12人
- 2 nd ヴァイオリン-10人
- ヴィオラ-8人
- チェロ-6人
- コントラバス-4人
6422(ロクヨンニーニー)
- 1st ヴァイオリン-6人
- 2 nd ヴァイオリン-4人
- ヴィオラ-2人
- チェロ-2人
まとめ
今回は、ストリングスについてご紹介しました。
ストリングスを構成する楽器とその役割、編成について理解するだけでも、アレンジや作曲の視点が広がるはずです。それぞれの楽器の特性を知ることで、楽曲の表現により深みを持たせることができるでしょう。
ストリングスの具体的な活用方法や、どのようにアレンジに取り入れるかについては、また別の機会にご紹介したいと思います。

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。